The Origin of Japanese Design Movement After WWII: The Tracks of Design Committee
戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡 展

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「戦後デザイン運動の原点」会場デザインコンセプト

今回の展示計画を考えていく中で、改めて日本のデザイン運動をつくってきた人たちの熱い想いに触れました。まず何よりも、デザインの力で新しい社会をつくるんだという強い意思があります。
生み出された家具や道具やグラフィックはどれも力強く、シンプルで、今みてもハッとするほど美しいものばかりです。
デザインをつくる上では、批評が欠かせません。様々な専門家が集まった当時の会議録に登場する、歯に衣着せぬ議論の応酬は、まるで演劇の脚本のようであり、時代の力強さ、ひとつの言葉にかける想いを感じます。
そうした議論の舞台となったのは、近代日本建築史に名を残す名作住宅ばかりです。これらの住宅こそが日本のデザイン運動のサロンだったのだと思います。
是非、会場にて住宅の模型の傍らで、会議録を読んでみてほしいです。時代の空気感が伝わってくると思います。
今回の会場デザインは、テーマに沿って順番に鑑賞できるようにしつつも、展示されている家具や道具や写真や言葉や議論の風景が、それぞれ独立した美術品としても鑑賞できるように、海に沢山の島が浮かぶ『多島海』のような平面構成にしています。
公園を散策するようにゆっくり歴史を巡ってもらえたらと思います。

会場|川崎市岡本太郎美術館
会期|2020年10月23日(土)~2022年1月16日(日)
担当|久米雄志、恩田福子、石丸郁乃