KURKKU FIELDS Dining
クルックフィールズ ダイニング

  • SOCIAL LANDSCAPES

クルックフィールズ・ダイニングは、クルックフィールズ第1期の核となる建築の一つである。

プロデューサーである小林武史氏からのリクエストは、イメージを喚起する魅力的な言葉の群れとしてやってくる。

「人や物が集まってくる中心の場所」「小屋のような素朴さ・謙虚さ」「海の上の船のような村みたいな場所」

私たちが勝手にイメージしていたのは、村人が手づくりでつくった劇場というような場の感覚だった。ハレの日の場としての晴れやかさもあるが、日常の場としての素朴さのある建築。

農場で作られる卵や牛乳やチーズや野菜。ハムやソーセージやパン。それらが全て続々とここに集まってきた、料理され、テーブルの上にやってくる。ピザの上はまるで美しい畑のランドスケープのようである。農場の活動、運動の全てが凝縮してここに集まる。

それなりの大きな人数が集まれるけれど、大きな建築に感じないように、構造体も空間の要素も小さな部分が集合していくデザインとしている。窓も木製の枠のものとして大工さんとクルックフィールズのスタッフでワークショップ的にデザインを決め、全体に変化とコラージュ感が生まれるようにしている。

時間と共に建築の姿が変化していく姿はどこか静謐で美しい。スレートの石屋根、木の屋根、コールテン鋼の外壁など自然素材を用いることで、全体のデザインを調停していった。

産業を作っていくのは、人間として悦びに満ち溢れたことでもある。自分たちで育てた小麦からパンをつくってみたい。朝絞ったミルクでアイスクリームを作ってみたい。皆で農場の食材を載せたピザを作ってみたい。だから、建築の各所にいろんな活動の中心をつくった。一つ一つが農場ということを舞台にした演技なのだと思う。

「ある日は全員で食堂に立ち、ある日は全員でパンを焼く」

一方で、産業を作ってくのは、悦びだけではない。新しい農業を実践する、言うは易し、実際は容易なことではない。
クルックフィールズも運営の議論から何度も設計をやり直した。

実際に誰が厨房に立つのか、誰がパンを焼くのか、誰が食材を運ぶのか。やってみたいと考えた誰もが使っていけるように、使いやすさを考え抜いて丁寧に設計している。そして、食堂もベーカリーもいざとなったら同じメンバーでも運営が可能となるように、クロワッサンのように後ろがつながった平面形状とした。

「聖的な(ホーリー)感覚を帯びる」

ある時、建築全体の中心にアーチのようなもの、聖的な感覚が混ざった方が良いのではないかと小林氏から連絡があった。なかなか難しいリクエストである。
アーチの図形をリサーチし何十種類と試した結果、正円の重心のしっかりしたアーチがしっくりきた。このアーチはクルックフィールズの中央の池であるマザーポンドに向けている。

水の流れ、自然の流れ、大きな循環に想いを馳せることで、今を生きる時間の感覚から解き放たれていく。

KURKKU FIELDS Dining is one of the core buildings of the project, rooting itself in the centre of the masterplan as a place to interact with the smells, tastes and ideas of KURKKU.

It is here where a lot of the vision of producer Takeshi Kobayashi can be seen. We were inspired by his idea of ‘a place like a village, on a ship in the middle of the sea.’ What we had in mind was the feeling of a theatre that the villagers made by their own hands, a humble place where everyday life can flourish.

Here food grown on the farm comes directly to the table. We designed the main counter as an open landscape, a base for the foods to come to life. The interior is a large space broken down into small pockets through the expression of structure and framing, creating an experience where all of the farm activities can be felt through the simple process of dining.

We utilised the idea of a courtyard to give shape to the new industry, walking up the gentle slope you are surrounded by the activities of the farm. We designed the exterior to slowly age over time, receding into the landscape to bring the cycle of activities to life. A performance of bringing food from the fields to the table.

In this space we hope guests can be invited to think about the flow of water and the cycle of nature, to be released from the pressure of time and live completely in the present.