KURKKU FIELDS Sharehouse / Workshop / Warehouse
クルックフィールズ シェアハウス+工房倉庫棟

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農業をやるというのは、植物に向き合う。植物の時間に沿って暮らすということである。植物は人間の時間を待ってくれない。種まきの日は日の出から働くこともしばしばだし、台風や日照りが続くと、その手当に泊まり込みになる。ならばいっそのこと農場に住む場所があるほうが、自然だし、便利でもあるのでは?となっていった。
一人で住む人も、家族で住む人も、時々泊まる人もいて、自分たちで暮らし自体をデザインできる拠点をつくるのがいいのではないか?というように議論が展開し、シェアハウスのような宿舎をつくることになった。

検討を始めた最初は、スタッフはあまり乗り気じゃなかったようだ。一緒に住んでしまうと仕事とプライベートが分けられないという感じがしたのだと思うが、個室も階高を取り、ロフトをつくって繁忙期には2人でつかうが、基本は1人用とすることでかなり快適な環境にして、1階の共用部をかなり広くつくり、共用のキッチンやシャワーブースも複数つくることで、共用のストレスを大きく減らす工夫をしたので、狭いアパートに住むよりもずっと快適なこともあって、満室で運用されているようだ。

シェアハウスだけでなく、元々この敷地に建っていた元牛舎を改装し、クルックフィールズの運営を支えるための工房をまずつくることになった。工房には、四井真治氏の監修によって工作機器が一式そろえられている。つまり、溶接から切断から加工まで何でも作ることができる道具一式があるので、大概のものはこの工房でつくることができる。実際にテーブルなどのちょっとした家具はここでつくられているようだ。

工房と合わせて、解体した建築の木材や廃棄予定の建材などをストックしておくための倉庫をつくった。空調と断熱を完備した倉庫もつくり、音響機材もここに収納することで、イベントの運用コストを大きくさげることで、この工房・倉庫棟の整備費用を捻出する計画を立てた。

シェアハウス棟とシェア工房・倉庫棟が、クルックフィールズの活動全体を支えるバックオフィスの心臓部であり、ここが整備されたことでクルックフィールズのブリコラージュ文化が自走するきっかけになるのではないかと期待している。

設計|藤原徹平/フジワラテッペイアーキテクツラボ(担当:岩井一也)

所在地|千葉県木更津市
構造|木造
規模|地上2階

敷地面積|817.52㎡
建築面積|238.09㎡
延床面積|298.92㎡

設計期間|2017年4月~2018年8月
施工期間|2018年8月~2019年3月